「天体望遠鏡と星空観察の集い」を開催しました

昨日(2019年10月27日)つくば小田の古民家「華の幹」で、「天体望遠鏡と星空観察の集い」を開催しました。
あいにくの曇り空でしたが、一瞬姿を現してくれた琴座のベガやペガサス座の大四辺形に「どれどれ?」「見えたー!」と歓声があがりました。
出来立ての天体望遠鏡でも、しっかり星の姿をとらえることができました。
たくさんの方にお集まりいただき、誠にありがとうございました。
そしてこの集いの主旨にご賛同いただき、サポートいただいた方々に厚く御礼申し上げます。

望遠鏡の原理実験

望遠鏡の原理実験 -手作り光軸合わせマシン

科学部の高校生が望遠鏡の製作サポーターに加わってくれました。
原理を体で理解するために、今回作る屈折望遠鏡と同じ2種類のレンズを使って実験です。
レンズの軸をピッタリ合わせてくれる、オリジナルの手作りマシンが登場しました。

レンズで見る、不思議な世界

「焦点距離が長いと大きく見えるんです!」という説明をよそに、大きく見える世界にびっくり。
その新鮮な気持ちをずっと忘れないでね。

特大の宝篋山頂上の鉄塔

実験と同じ仕組みの望遠鏡をを覗くと、いきなり特大の宝篋山の鉄塔が見えました。
「すげ~」これが天体望遠鏡です。

天体望遠鏡の製作

塩ビ管のテープ貼り

望遠鏡の原理が分かったところで、いよいよ製作に入ります。
「塩ビ管を切るので、紙を巻いてまっすぐにテープを貼ります。」
手順書を見ながら作業を進めます。

人生初のボール盤

穴の位置に印をつけたら、ボール盤で穴をあけます。
「ギーン。ガガガガガ。」すごい音がする加工機を、最初は恐る恐る触ります。
それでもだんだん自信がつくと、操作もサマになってきます。

タップ切りに挑戦

大人でも難しいタップ切りに挑戦します。
「まっすぐ入れないと後からネジが入らないからね。」
ゆっくり慎重に回していきます。
これで市販の三脚のビスで、望遠鏡が固定できるようになりました。

塩ビ管の切断

塩ビ管を治具に固定して、回しながら切断していきます。
けっこう、なんでも一人で立派にできるものです。
これが鏡筒になります。

天文サポーターのリレートーク

あいにくの空

第二部の時間が近付いても、空はまだ曇り。
雨の予報まで出てきました。
最悪降られたときにすぐ撤収できるよう、華の幹前に望遠鏡をセットしました。
できたばかりの自作望遠鏡も使い方を教えてもらい、あとは雲の隙間に期待するばかりです。

旧筑波西中学校からお借りし今日のために整備した、小型望遠鏡のお話がありました。
「50年も前の望遠鏡でも、整備すればキレイに見えるんですよ。」
長い年月を経てこの望遠鏡に再び光が入り、多くの方にご覧いただき感無量でした。
細長い鏡筒のクラシカルなスタイルですが、銀色の星がシャープな点像を結んでいました。

夕食のあと、ほんの一瞬木星、土星や天頂付近のいくつかの星たちが顔をのぞかせてくれました。
「環っか見えた?」「見えた気がする!」と、いろんな望遠鏡を見比べてみます。
束の間でしたが、生の星空が体験できました。

リレートークの風景

天文サポーターたちのリレートークが始まりました。
ある方は5歳から星を見始め、望遠鏡が欲しい思いが募り自作を始めたそうです。
そして14年間かけて高校生の時やっと完成したという、望遠鏡をお披露目してくれました。
「宇宙は大人でも分からないことばかり。だから自分の目で見ることが大切なんだ。」と語る方もいらっしゃいました。

経済成長と共に生活が便利になる反面、夜空はどんどん明るくなりました。
インターネットに接続すれば、大量の天体写真が手に入るようにもなりました。
それでもその日、自分の目で見る星空は、一生に一度限りの貴重な体験です。
今回プロジェクトに賛同しご支援いただいた6名の天文サポーターはどなたも、身近な自然「星空」に夢を掻き立てられ、そのこと自体がさまざまに人生を豊かに彩っていました。

筑波地区の廃校には設置型の大型天体望遠鏡が、今も誰の目にも触れることなく残されています。
もう一度この望遠鏡の周りに人々が集い、本当の意味での豊かな暮らしを築くきっかけ作りができる日がくることを願ってやみません。

末筆になりましたが、今回第二部からご参加の方に事前連絡が徹底できず、小田城跡でお待ちいただいてしまいました。
誠に申し訳ありませんでした。
またそのことをご指摘いただき、ありがとうございました。
今後の運営において改善して参ります。

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