2019年6月1日、晴れ。
今回のアナログラジオ製作はいつもとは一味違う、大人の雰囲気のワークショップとなりました。
みなさん童心に返り、電波の世界を満喫されていました。
大人たちのラジオ製作
![はんだ付け作業に集中](https://i1.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/62e9b0b0624264df6d5f0a5e51d87f0e.jpg?fit=800%2C600)
木工から電子工作、そして巻き線、組立てと製作手順書に沿ってひとつずつ作業を進めます。
電子工作ではラグ版に部品を載せ、”こて”で十分温めてからはんだを流し込みます。
一瞬白い煙が上がりそこではんだを離すと、ピカピカに光る理想的な実装ができます。
タイミングを見極めるため、集中します。
![近隣のお店の話題で満面の笑み](https://i1.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/be6fcfee2b4fd8100f3ba9482555e54a.jpg?fit=800%2C600)
作業の合間は近隣の閉店間近のアンティーク店や秋葉原のパーツショップの話題で盛り上がります。
みなさんどうやってそんなニッチな情報を仕入れて来るのだろうと思いますが、とにかくよくご存知です。
趣味が共有できる方々との会話を存分に楽しんでいました。
ゲルマニウムラジオの完成
![みんなでアンテナを巻く姿](https://i0.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/03794a0fc08c8fc9f9039525fde30d0c.jpg?fit=800%2C599)
最後の1台はアンテナの巻き線ピッチを間違え、巻きなおしとなりました。
感度を出すため、14周きっちり巻かないといけません。
「あれ?いま何周目だっけ?」細くて光るエナメル線は見えにくいものです。
しかしなんとかやり切りました。
![ゲルマニウムラジオ集合写真](https://i0.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/b615376edefab0163fab3ad32b4ae5cd.jpg?fit=800%2C600)
「お、聴こえた!」バリコンを回していくとイヤホンからかすかに音が聴こえてきます。
慎重に調整するうち今度はハッキリと会話が分かり、「野球やってる」「NHK第一だねえ」と。
屋内でも感度は足りているようです。まずは一安心。
“こんなにゲルマニウムラジオが集まることは、まずないから”と集合写真を撮りました。
つくば吉瀬の電波探検
![](https://i1.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/f76a433752151362deef26dcc3cf99fc.jpg?fit=800%2C599)
始めに田畑が広がる平地に向かいました。
NHKの2局は十分入りますが、どうにかして茨城放送も入れたい。
ゲルマニウムラジオには電池がなく、空中の電波の強さがそのまま音量になります。
しかしここでは丘で電波が遮蔽されて、かすかに聴こえる程度です。
そこで丘の頂上付近まで登りました。
「あの方向なんだよね」とアンテナの向きを調整し、改めてチャレンジです。
今度はしっかり入りました。
しかし、頂上の先を送信所方面に進むとまた聴こえづらくなります。
「電波は波だから、こんなふうに同じ道路上でも強弱ができるんです。」
送信所が近くて見通しが良ければいいというものでもない、ほんの数メートルでも感度が変わる。
電波とは不思議な波です。
![つくば文化郷の前で立ち話](https://i1.wp.com/machi-neta.com/wp-content/uploads/2019/06/415a22c0686ba298ef47aa9224488c18.jpg?fit=800%2C600)
このラジオ集団は何しろ目立ちます。
そのため歩いているだけで居合わせた”まち”の方から声をかけて頂けます。
「それって何ですか?」「何やってるんですか?」
イヤホンをお貸しして聴いて頂くと「あーホントだ!ラジオが聴こえますねー。」
今回もつくば文化郷の前で、他の団体の方たちと立ち話に興じました。
このワークショップは元々親子向けにものづくりを楽しんでいただこうとして企画を始めました。
しかしいざインターネットで参加募集しても、親世代からあまり反応がいただけません。
そして実証試験中のこうした会話から、40歳前後ともなればアナログラジオを見たこともないのだ、と知りました。
なんと井の中の蛙だったことか。
とはいえ、最初は怪しそうと思っても興味を持っていただける方が案外多いことも分かりました。
新しい世代にとってラジオは実用として聴くというより、むしろ発見を伴う新たな体験の道具なのかもしれません。
こうした学びから軌道修正し、また次回に向けてチャレンジを続けたいと思います。
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