「ワークショップのためのものづくり」の最前線に挑む
わたしたちは商業化のためのものづくりとは一線を画す、面白さファーストの「ワークショップのためのものづくり」に挑んでいます。
このプロジェクトでは、天体望遠鏡や青写真カメラなどの、黎明期の構造を参考にしたアナログ教材を、技術パートナーが共同開発します。
その教材を本格的な設備やこだわりの手法で製作するワークショップを、開発者自身が実践します。
採用元に権利が帰属する雇用やボランティアとは異なり、教材はものづくりパートナーの共同著作物です。
そのため「従うべき既定業務」などというものはなく、何をどのように開発するのか話し合い、主体的に決めていきます。
運営は当団体が支援するため、ご自身が決めた関わり方で、技術に集中して参加できます。
冒険と探究のプロジェクトへの、あなたの合流をお待ちしています。
「ワークショップのためのものづくり」とは
ものづくりのココロを共有する
開発者自身がものづくりワークショップを実践します。
ものづくりへの熱量や使い手への思いやりは、開発者だからこそ伝えられるものです。
またワークショップでは、原理の考察、手順検討、製作、テスト・試用までの、一連のプロセスを体験します。
現実社会でチームが協働する面白さや、できた喜びを分かち合う楽しさを、日頃エンジニアが行っている開発現場の再現から先取りしてもらう狙いです。

主なプロジェクトの実績
企画と開発計画を話し合うプロジェクト会議の後、要素・部品別に展開した各ものづくりパートナーの個別開発を持ち寄り、試作品の全体を統合する開発スタイルです。 ワークショップごとの教材のプレ加工と会場設営は協力して行い、開催後に振り返り次の活動に活かします。
そのためワークショップ当日を含めても、現在のところ平均では月1回つくば市内で集まる程度、会費などの経費もかかりません。 メーリングリストとファイル共有システムを利用した、自宅での個別開発が主です。
ワープショップの内容は、参加者募集ページをご参照ください。 LINEの友だちに追加いただけると、開催のご案内やニュースレターをお送りします。

筑波地区の廃校の屋上ドームに残された、大型天体望遠鏡を復活させたい。そう願う愛好家たちと、自分で星を見る楽しさを伝えたいと企画が始まりました。
完成品を買うことが当たり前の現代に、敢えて自分で望遠鏡を作り、自分の力で星を見ます。
かつて軍用だった望遠鏡をガリレイが夜空に向けた瞬間から、この技術は人類の世界観を次々と塗り変えてきました。ワークショップでは先人たちに倣い、光学実験から望遠鏡の開発を追体験します。
【諸元】ケプラー式,口径4cm,アクロマート,ファインダ,垂直駆動雲台

ワークショップのため小田地区に通ううち、戦国の城郭を遺す街並みの美しさに魅了されました。この”まち”を撮影する、素朴で優しい青写真カメラを作りたい。
この感光紙の原理(ジアゾ反応)は、19世紀の天文学者ジョン・ハーシェルが様々な物質の太陽スペクトルの光化学実験から発見し、後に機械や建築図面の複写(青焼き)技術として産業を支えました。
当時に想いを馳せながら、最後に自作カメラを携え小田のまちを試し撮影します。
【諸元】ジアゾ感光紙,単レンズ,スクリーン(カメラ・オブスキュラ),ホルダー

電源がなくても、空間の電波のエネルギーを直接音に変えて放送が聴けるラジオがあります。北海道地震による長期停電が、この「ゲルマニウムラジオ」を思い出すきっかけをくれました。
電子回路やアンテナから自作したラジオを持ち、日常では気にも留めない不思議な電波の世界を感じながら、茨城放送の送信局(1458kHz)のお膝元、吉瀬地区を探検しました。この送信局は近い将来送信停止すると思われるため、感度を上げるか、FMラジオを開発したいです。
【諸元】ゲルマニウムダイオード,セラミックイヤホン,ループアンテナ

私たちが初めてひらいたワークショップです。
茎崎地区の方のご厚意で、竹林整備が大変なので何かに使えないか、とお話をいただき企画が始まりました。
六斗の森キャンプ場で、1本ものの竹からお昼ごはんを作りました。竹に米を詰めて火にくべ、爽やかな香りのご飯を焚きました。コップや箸も竹から手作りです。午後からは同じく竹製の水鉄砲で、駄菓子の的あて大会をしました。威力や命中精度を上げるため、それぞれが水鉄砲に独自の改造を施し、熱が入りました。
【諸元】いぼ竹,孟宗竹,竹ご飯,竹食器,水鉄砲
愛好家のための地域活動インターン
男女雇用機会均等法の施行から程なく、私は女性総合職として、大手製造業でエンジニアの仕事に就きました。
制度も文化も整わない中、夫に家事と育児を託し、稼ぎ頭からは外れた新規事業プロジェクトばかり、終には開発から企画・マネジメントまで30年間携わりました。
まあ、いわゆる企業戦士です。
しかし当初抱いていた、一所懸命働けば社会が良くなるという信念は、やがて経済の低迷、リーマンショック、東日本大震災を経て、
「今やっているものづくりこそが人のため、でなくては『幸せ』はない。」という想いに変わっていきました。
とはいえその実現は、営利企業の一従業員としては難しいもの。
ならばと地域に目を向けても、これまでの仕事漬けの生活が災いし、何の人脈もノウハウもありませんでした。
学生には企業インターンがあるのに、退職する時には地域での暮らしを試す場がありません。
このプロジェクトは、そんなものづくりのためにものづくりを楽しみたい、愛好家のための器です。